何もできなくて…

2018/09/19 Wed 16:14

 先日、ご高齢の方を看取りました。
もう何年もたんぽぽ診療所にお通いになられた方です。
90歳を超えられて、次第に通うことができなくなり、私が在宅診療に伺っていました。
この夏の暑さがきつく、次第に食事がとれなくなり、最期はお子様方に見守られながら、静かに息を引き取られました。

最期の診察の時、私が「よく看取られましたね」とお子様方に声をかけると、
ご長男が「いえ、何もできなくて…、そばにいることしかできなくて…」とおっしゃられました。

「何もできなく…」

これが人生の究極の目的のような気がしています。
誰もが、お歳を召されて、病になり、「何もできなく」なってくる。
これが人生の最期の姿です。
この姿には、社会的地位や、知識や、財産やそんなものは何の役に立たない。
どれほど、自分の周りをそんなもので囲っても、最期は「何もできない…」状態が待っている。
もちろん、その愛する人を喪う人も、「何もできない…」(私のような他人から見れば「よく看取られましたね」などという見当はずれな言葉が出てきてしまう…)

そして「何もできなくて…」のあとは
「ただそばにいるしか・・・」
これも人生の究極の姿かと感じます。

まだ時間が残されているときから、「何もできない…」「ただそばにいる」を大切にしたいです。
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