ケアの真髄

2023/05/07 Sun 12:13

 グループホームでご高齢の女性を看取りました。
日曜日の深夜、最期の時は訪れました。
私の死亡確認の診察時に、ご家族とグループホームの介護スタッフが一緒にいてくださいました。
その後、グループホームのリビングのテーブルで死亡診断書を書いていると、
その介護スタッフさんがここ数時間の介護記録とバイタル表(血圧や脈拍を記録した表)を持ってきてくれました。
(最近はタブレットで記入していく施設も多いのですが、その記録は手書きで、その介護スタッフの思いがこもっている文字があふれていました)
これらを私に示しながらその介護スタッフさんが
「最期の数時間はうまく血圧も測定できずにすみません」とおっしゃいました。
私はそれに対し
「いえいえ、最期の時に大切なのは血圧をはかったりすることじゃないですよ」とお伝えし、
「あなた(介護スタッフさん)が、もし最期を迎えるとき、どのようにしてほしい?」とお聞きしました。
するとその介護スタッフさんはすかさず
「手を握っていてほしい」と。

「人にしてほしいことを行い、人にしてほしくないことはしない」

これが「ケア」の真髄と思っているのですが、このケアスタッフさんはとても素敵なケアをなさっていると感じました。

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