宇宙の愛をひきつけ

2021/12/05 Sun 11:40

 昨夜は新月で金星が最も明るい日でした。宵の明星とはよく言ったものです。子供の頃、天文が大好きだった私は、先月から「月食」、「木星、土星、月、金星が一直線」と天体ショーが目白押しで楽しんでいます。こんな特別な天体ショーでなくとも、冬の夜はオリオン座がきれいに輝きます。私の目に飛び込んでくるこれら天体からの光が、どれだけ宇宙を旅してきたかいつも考えながら見ています。一番近い月までは38万キロメートルなので、1.3秒旅した光、金星も意外と近く1億5000万kmで約8分旅した光、木星までは7億5000万kmで約40分旅した光、土星までは15億kmで約80分旅した光。宇宙空間をこれだけ旅して私の目にやって来てくれたのです。さらに毎日見れるオリオン座ですが、星座なので複数の星があり、1番近い星で300光年、1番遠い星で1,000光年以上…。こんなに長く旅してきたんだ…。

ある女性を看取りました。癌の末期でしたが無口でカッコいいご主人様が本当によく看病されました。最期の時、臨終を告げる私の横で、ご主人様は目に涙をためてじっと悲しみに耐えておられました。

「愛する者との別れ、といってもほんとうは別れではなく、別な状態で存在するだけなのだ。
ひとりの人間を、ひとつのいのちを形成していた物質とエネルギーが、地球上に、そして宇宙の中にちらばる。
それは天の河や、もっとはるかな星雲の中にもとびちるかも知れない。
そしてその人間が地上で生きた生の歩みは、人間の歴史の中にひそかな跡をきざんで行くのだ。」
                     (神谷美恵子 「人間をみつめて」 p94)


無口でカッコいいご主人様の中にひそかな跡をきざんで…



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