あなたがいてくれるからいい…
2021/04/24 Sat 22:45
先ほど、一人の女性を看取りました。
娘さんが本当によく看病なさった。
数日前までご入院されていました。
退院された日の夜に、ご自宅にお伺いしました。
すでに病状が悪く、意識ははっきりしませんでした。
何とかお話をしたいと思い、頻回にお伺いしましたが、それはかないませんでした。
今朝、診療所の診療開始前にお伺いした時、
やはりご本人はお話ができる病状ではなかったですが、娘さんがこんな話をしてくれました。
入院している時、(なかなか面会できないので)母から電話があり
「死にたくない…私の人生なんだったの…」
それまであまり自分のことは心に秘めて語らない母でしたが
これは母の心の叫びだったと思います。
そしてこの言葉の後「でも、あなたが(娘さんの名を呼び)いてくれるからいいよ」と。
自宅に帰ってからは、何も食べれないけど「点滴はしなくて自然でいいよね?」と母に聞いたら
うなずいた。
「(音楽の)ミスチルが好きだけど聞き飽きた?」と聞いたらうなずいた。
「クイーンにする?」と聞いたらうなずいた。
私は今朝、娘さんのこの話を聴きながら、本当に感動しました。
「あなたがいてくれるからいい…」
その人のことを本当に大切にする人の所・家で過ごすことの力がひしひしと感じられました。
そして今夜、最期の時が訪れてしまいました。
最期の時、ミスチルが枕元で流れる中、娘さんが
「母は入院中に先生のブログを読んで、先生と話がしたい」と言っていましたと。
音声としての話はできませんでしたが、
「あなたが大切にする娘さんを通して話ができましたよ」と心の中で語り掛けました。
涙をこらえながら…
娘さんが本当によく看病なさった。
数日前までご入院されていました。
退院された日の夜に、ご自宅にお伺いしました。
すでに病状が悪く、意識ははっきりしませんでした。
何とかお話をしたいと思い、頻回にお伺いしましたが、それはかないませんでした。
今朝、診療所の診療開始前にお伺いした時、
やはりご本人はお話ができる病状ではなかったですが、娘さんがこんな話をしてくれました。
入院している時、(なかなか面会できないので)母から電話があり
「死にたくない…私の人生なんだったの…」
それまであまり自分のことは心に秘めて語らない母でしたが
これは母の心の叫びだったと思います。
そしてこの言葉の後「でも、あなたが(娘さんの名を呼び)いてくれるからいいよ」と。
自宅に帰ってからは、何も食べれないけど「点滴はしなくて自然でいいよね?」と母に聞いたら
うなずいた。
「(音楽の)ミスチルが好きだけど聞き飽きた?」と聞いたらうなずいた。
「クイーンにする?」と聞いたらうなずいた。
私は今朝、娘さんのこの話を聴きながら、本当に感動しました。
「あなたがいてくれるからいい…」
その人のことを本当に大切にする人の所・家で過ごすことの力がひしひしと感じられました。
そして今夜、最期の時が訪れてしまいました。
最期の時、ミスチルが枕元で流れる中、娘さんが
「母は入院中に先生のブログを読んで、先生と話がしたい」と言っていましたと。
音声としての話はできませんでしたが、
「あなたが大切にする娘さんを通して話ができましたよ」と心の中で語り掛けました。
涙をこらえながら…
きみの となりに さく たんぽぽ
2021/04/11 Sun 21:33
私の大切な友人に上藤美紀代さんがいます。
ヴォイスセラピー実践・研究家でフリーアナウンサーというステキな肩書をお持ちの上藤さんですが私にとってはずっと以前からの大切な友人です。先日その上藤さんがステキな絵本をくださいました。(上藤さんは「絵本専門士」の資格もお持ちです。)
「ひばりに」(内田麟太郎/詩 うえだまこと/絵)
きみに かける ことばがない
ぼくは ただ すわるしかない うつむく きみの となりに
ここまで読んだとき、最近看取ったある女性のことを思い出しました。
病いが日々悪化する中で、彼女は心の叫びを私に語ってくださいました。
しかし私には彼女にかけることばがなく、ただそこにすわって聴くしかできませんでした。
最期のとき、彼女は私と看病する娘さんに「す・べ・て・お・わ・り」と一音一音ゆっくりと語られました。
内田麟太郎の詩は続きます…
いや ぼくは たんぽぽになろう きみの となりに さく
いや たんぽぽのわたげになろう きみが そらへ とばす
きみの おもいの その ことばをとどける ゆうびんやさんになろう
亡くなられた彼女の心の底からの叫び、そして最後のコトバ…
「隣に咲き、(最期の)思いの言葉を届けたい…」
上藤美紀代さんはこの絵本を見つけたとき、真っ先に私のことを思い浮かべ、1冊くださいました。
この絵本はたんぽぽ診療所の待合室においてあります。
ヴォイスセラピー実践・研究家でフリーアナウンサーというステキな肩書をお持ちの上藤さんですが私にとってはずっと以前からの大切な友人です。先日その上藤さんがステキな絵本をくださいました。(上藤さんは「絵本専門士」の資格もお持ちです。)
「ひばりに」(内田麟太郎/詩 うえだまこと/絵)
きみに かける ことばがない
ぼくは ただ すわるしかない うつむく きみの となりに
ここまで読んだとき、最近看取ったある女性のことを思い出しました。
病いが日々悪化する中で、彼女は心の叫びを私に語ってくださいました。
しかし私には彼女にかけることばがなく、ただそこにすわって聴くしかできませんでした。
最期のとき、彼女は私と看病する娘さんに「す・べ・て・お・わ・り」と一音一音ゆっくりと語られました。
内田麟太郎の詩は続きます…
いや ぼくは たんぽぽになろう きみの となりに さく
いや たんぽぽのわたげになろう きみが そらへ とばす
きみの おもいの その ことばをとどける ゆうびんやさんになろう
亡くなられた彼女の心の底からの叫び、そして最後のコトバ…
「隣に咲き、(最期の)思いの言葉を届けたい…」
上藤美紀代さんはこの絵本を見つけたとき、真っ先に私のことを思い浮かべ、1冊くださいました。
この絵本はたんぽぽ診療所の待合室においてあります。
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