今年も数日で終わろうとしています。
本当に今年も皆様に大変お世話になりました。
ありがとうございました。

日々、診察を通して「悲しみに『ついて』知ると悲しみ『を』知る」ということを感じ続けています。
私は医師として多くの病いについて学ばせていただき、知識はたくさん持っているかもしれません。
しかし、毎日毎日、私の前においでくださり、自らの悲しみ、苦しみ、病いを語る方々は「悲しみ『を』知っている」と思います。

ある高齢の方を看取りました。
ご自宅ではお商売を営んでおられ、その方は2代目。現在は3代目である息子さんが継いでおられます。
病状が悪化する中、朝、お伺いすると、もう一両日かと…
息子さんは、商売は昼までやり、夕方からはさすがに休みますと。
(お父様の看病に専念したいのでしょう)
しかしお昼に息を引き取られました。
臨終の場面に急行すると、息子さんは辛そうにお仕事をしながら、到着した私に「先生、すみません」と。

この文章では、私の拙い表現力では、お伝え出来ない息子さんの悲しみがあふれていて…。

ケアを提供する側は、「悲しみに『ついて』」の立場。
ケアを受ける人は、「悲しみ『を』」の立場。いや、悲しみそのものの中にいる…
このギャップを痛いほど感じた1年でした。

また来年からも、この「本当の悲しみの中に生きている方々」から学び続けていきたいです。

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