真実を求めて

2021/01/03 Sun 11:50

 昨年暮れより病いが悪化している方がいました。
脳梗塞後にて長い間私が在宅診療をしている男性です。
奥様と娘様が本当によく看病なさっておられました。
しかし・・・最期の時が近づいていました。
心配でしたので、元旦も診察に伺いました。

1月3日の今朝、静かにご逝去されました。
看取りの時、奥様は「お父さん、お父さん」とさすりながらお声をかけています。
娘様は声にならない声で、悲しみにじっと耐えています。
その場に私は佇みながら、「ここにこそ、真実がある」と感じていました。

「よろこびが集まったよりも 悲しみが集まった方が
しあわせに近いような気がする

強いものが集まったよりも 弱いものが集まった方が
真実に近いような気がする

しあわせが集まったよりも ふしあわせが集まった方が
愛に近いような気がする」    星野富弘

私の大好きな詩です。
今年も「真実を求めて」歩んでいきたいです。

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2021年へ

2020/12/31 Thu 22:16

 2020年から2021年に替わるとき。
年末らしくない日を過ごしています。
新型コロナウィルスのため日常が大きく変わってきました。
(今、紅白歌合戦も無観客でやっているのを見ています…)

たんぽぽ診療所もこの1年はご自宅で看取らせていただいた方が昨年の約2倍でした。
(その影響か年末休みに入っても、この寒さのためか、ご自宅で調子を崩される方がいて往診に行っています)
病院に入院しては面会ができないということもありました。
しかし病院も、亡くなる方とそのご家族に暖かいご配慮をしてくださっていますので、
(死に際に)「会えない」というのがご自宅で亡くなる方の増加の直接の原因でもなさそうです。

新しい生活様式…新しい生き方…
コロナ禍の中でこのような言葉をよく聞きます。
「人は生きてきたように死んで逝く」、日々患者さんと接する中で実感することです。

「生き方」が変わるということは「逝き方」も変わる。

2021年、新しい生き方、新しい逝き方を考えていきたいです。
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良き外科医~岡本好史先生

2020/11/07 Sat 18:02

先日、ある女性を看取りました。
ずっと長い間たんぽぽ診療所に糖尿病でおかかりでした。
途中、乳がんが発見され、静岡済生会病院副院長の岡本好史先生にもお世話になりようになりました。
(岡本先生は、私の研修医時代、1年先輩で、その後もずっと公私ともお世話になっているとても素敵な先生です)

この女性はタバコもたくさん吸い、なかなか医者泣かせの患者さんでしたが、私はどういうわけかこの方が好きでした。
娘さんとご一緒にいつも通院されていましたが、いよいよ病状が厳しくなり、ここ1か月は在宅診療でお家に伺っていました。
お家に伺うたびに、よく看病する娘さんの悲しみがひしひしと伝わってきて、「ああ、やはりお家でよかった」と思っていました。

亡くなった日、娘さんの肩に手を当てることしか私にはできなかった。

その翌日、私は済生会病院の勤務日でした。
お忙しい岡本先生のお邪魔にならないようにと手紙でこの女性の訃報をお知らせすると、
その手紙を読んでくださった岡本先生からすぐにご連絡をいただきました。
お電話口での岡本先生のお声、お言葉から、この女性と娘さんの事を労わるお気持ちが伝わってきて
岡本先生というとてもいい外科医に診ていただいたことへの感謝の気持ちでいっぱいでした。
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聴く

2020/10/28 Wed 22:01

 この9月にアルフォンス・デーケン先生がお亡くなりになりました。
デーケン先生はドイツより日本に来られ、「悲しみのケア」を広められた方でとても御高名な方です。
私はひょんなことから先生にお会いすることが許され、それ以来静岡にも3回お招きすることができました。
今は先生と私の家族で撮った写真が宝物です。

そのデーケン先生が「悲しみのケア」で大切なことは「相手の話を聴くこと」とおっしゃられます。
デーケン先生のお言葉を借りれば
「良い聴き手であり、話したくない時も黙って傍にいてくれる人」とあります。

私は沈黙が怖い人間で、このデーケン先生の教えをなかなか実現できずにいます。

当院のホームページには心理カウンセリング想月様のことが載っています。
沈黙が怖い私は、せめてもの罪滅ぼしに想月様のことをご紹介します。
代表の山本麗子先生は本当にステキな方で、私が尊敬するカウンセラーです。

Mind(こころ)と Body(からだ)はつながっていて、どちらかで不調をきたせば、もう一方に影響を与えます。
私は内科医として、長年、Body(からだ)の癒しを、患者さんと一緒に取り組んでいます。
Mind(こころ)の方でつらさを抱えた時は、想月さんのような心理カウンセリングをお勧めします。
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血を流す心

2020/10/18 Sun 11:20

 前回このブログを書いたのは6月でした。
あの頃からとても辛いことがあり、まったくブログを書けませんでした。

日記を以前からつけています。
日記を書くのも毎日ではありませんが、私以外、決して誰の目にも触れない文字を綴っています。

ブログを書けなくなった頃から、日記を書くのは毎日となりました。
文章ではない、心の叫びを書く、いや、書かざるを得なかった。

7月、辛い日々が終わった後も、やはりブログを書けない日が続いていましたが
最近やっとその頃の日記を読み返す余裕が出てきました。

文章ではない、決して誰にも見られない私の心の叫び…しかしこれぞ本当のコトバ…

神谷美恵子の言葉
「どこでも一寸切れば私の生血がほとばしりだすような文字、
そんな文字で書きたい…
体験からにじみ出た思想、生活と密着した
しかもその思想を結晶の形でとり出すこと」

7月からも幾人もの悲しみの中にいる方々から「本当のコトバ」をお聴きました。「本当のコトバ」をお預かりしました。

また一からやり直しです。
「本当のコトバ」をお伝えしていきたいです。



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